青空文庫のオーディオブック

オーディオブックとアイデアのブログ

サイコロな彼女

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サイコロ

 

プロローグ

「私、幸せになりたいんです!」


街の大通りから少し入った、路地に小さなテーブルと2つのパイプ椅子、そして簡素な

持ち運べる看板がある。

看板には”占い”とだけ書いてあり、40代ぐらいの占い師と20代前半の女性がいた。

女性は、占い師の目を見てしっかりと言葉を発する。

 

「私、今まで全然幸せっていう物を感じたことがなくて、どうしたら幸せになれるのか占ってくれませんか?」

 

どうやら女性は幸せというものを知らないらしい。幸せなんて人それぞれ感じ方は違う

し、幸せにしてくれと言われて、そう簡単に出来るものではない。

しかし、占い師は、自信満々に答えた。


「わかりました。では、占います」

 

占ってどうにかなるものではないはずと、女性は思ったが藁にも縋る思いで、結果を待

った。


「出ました。これは……ちょっと特殊ですね。」


そういうと占い師は、パイプ椅子の下に置いてあるバックを持ち上げて、手探りでガサ

ゴソと何かを探している。

お目当ての物を見つけたようで、バックからグーの手でそれを取り出した。そして、手

の甲を上にし女性の目の前まで拳を持っていくと、パッと手を開いた。

すると、そこから落ちた小さな物体がテーブルの上で転がり、止まる。小さな物体は正

方形の形をしており、上の面には赤い丸が一個だけ書いてあった。


「サイコロ……ですか?」

 

小さな声で女性は訪ねる。


「そう、サイコロ。このサイコロを毎日起きた時に振って下さい。」
「振るだけでいいんですか?」


もちろんそれだけではありませんと、占い師は説明を続ける。


「出た数字に合わせて、ある行動をしていただきます。」
「ある行動……?」


女性は、不安げに説明の続きを訪ねる。


「あなたは特殊なのでこちらで指定させていただきますね。」

 

そういうと、占い師は先ほどのバックからペンと紙を取り出して、すらすらと書き始め

た。

――数分後

紙には細かい説明が書かれていた。

 


ルール1

毎朝起きたらサイコロを振ること、さぼってしまうと幸せにはなれません。

 

ルール2

サイコロの振り直しは禁止、やぶってしまうと幸せになれません。

 

ルール3

サイコロの目に下記にある行動をしてもらいます。行動しないと幸せになれません。
1の目……良いことを1つ以上して下さい。
2の目……悪いことを1つ以上して下さい。
3の目……友達と1人以上あってください。
4の目……1種類以上の食材を食べて下さい。
5の目……1秒以上運動して下さい。
6の目……1人以上に気持ちを伝え下さい。

 

ルール4

出たサイコロの目が前日と同じだった場合は0を増やして行動してください。

その次も同じだった場合は、更に0を増やして行動してください。守らないと幸せにな

れません。


以上の4つのルールが書かれていた。正直ルール3までは全然簡単だったが

ルール4のせいで、これらの行動の難易度が何倍にも跳ね上がている。

だが占い師は、それがさほど問題ではないかのように女性に言う。


「このルール通りに行動すれば、あなたは”確実”に幸せになれます。」


正直胡散臭い話ではあったが、女性にとっては、これ以上にない朗報だった。

ただ守ればよいのだ。どうやっても幸せになれなかった私が、これを守れば幸せになれ

る。それだけで、女性がこの話を否定する理由は無くなっていたのだ。

女性は、説明の書かれた紙と、テーブルに転がっているサイコロを受けとり、財布を取

り出しながらお代は?と占い師に聞く。


「ちゃんとあなたが幸せになって時に払ってくれれば結構です。額もその時のあなたに任せます。」


それだけ言うと、女性はカバンなと片付け始めた。これで店仕舞いということだろう。

女性は、ありがとうございました、とだけ占い師に伝え、ぺこりと頭を下げた。

占い師は、それに掌だけで答え、店仕舞い続けている。

女性は占い師を見て、もう一度だけぺこり頭を下げ、立ち去った。


ポイント

どの行動も最初は簡単だが、数が増えると少しづつ難しくなる。その為、ルールを守る

為に、彼女自身努力し始める。

悪いことに関しては、人に文句を言うことが女性自身悪いと思っていたりなどし、それ

を言うことで、結果周りにいい影響を及ぼし、

最終的には女性にも良い結果をもたらすような工夫をする。

1種類以上の食材に関しては、世界旅行などをするようにストーリーを調整する。

1人以上に気持ちを伝えるに関しては、ネット配信や音楽ライブなどを開くなどして対

処する。


ネタバレ

サイコロは、機械仕掛けで、少しづつ難易度があがるように、出る数字を調整できる。

ちなみに、占い師は女性から多額の謝礼を貰うが、それはサイコロを作った時のように、また別の技術等につぎ込み、また次の幸せにつなげようとする。

祝った勇者と呪われた魔王

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魔王?


プロローグ:


「魔王よ、降参してくれ。これ以上戦う意味などない!」
魔王は立ち上がりながら、その勇者の言葉に呆れ、嘲笑うかのように返答する。
「馬鹿を言うな勇者よ。我とお前は戦う運命、ここで終わるなど許される訳なかろう。どちらかが死ぬまでこの戦いは終わらぬ!」
そういうと魔王は身の丈ほどある杖を掲げ呪文を唱え始めた。その光景を眺めていた勇者は、戸惑っていたがすぐに決心し、言葉を発した。
「ならしょうがない。この技を使いたくなかったが、この世界の為だ」
勇者は手にもった剣を自分に突き立てて、勇者は魔王に言い放った。
「魔王、俺はこの命を持ってお前のことを”祝ってやる‼”」
「え、勇者、ちょっと待て、今なんて?」
魔王はしっかり勇者の話を聞いてみたいで、急に聞き返してきた。だが勇者は止まることなく自分の胸に深く剣を突き刺した。
「祝ってやると……言ったんだよ……!」
息も絶え絶えに先ほどの質問に律儀に返す勇者は笑いながら血を流し、やがて仰向けにその場へ倒れこんだ。
それと同時に勇者の体は光だし粒子となって、天に登って行った。
「えぇ……」
唖然とする魔王だったが、よくよく考えてみると勇者がいなくなったので、実質自分の勝利ということに気づいた。
「やっとぞ!なんか知らんが勇者が自決してくれた!これでこの世界は我の物だ!」
そう独り言を呟くが、残念ながらその独り言に反応する声があった。
「残念!あなたは祝われてしまった。もう悪いことはできません」
誰だと思い、声のする方を振り向くと、そこには先ほどまで戦っていた勇者の顔があった……。
「なぜそこにいるのだ勇者よ」
「一生あなたの側で祝ってあげるわ♪」
質問に対して、微妙に合わない返答をし勇者はニコニコ微笑んでいる。
細かいことはわからないがきっとこれから良くないことが起こりそうだと思う魔王だった。


あらすじ:
勇者は命を懸けて魔王を祝い、魔王にとって、それは呪いの様なものだった。
人を殴ろうとしても撫でてしまう。ごみを捨てようとしたら清掃活動をしてしまう。
人間にとって良いことでも、魔王にとっては嫌なこと。
はたして魔王は祝いを解くことは出来るのだろうか。


キャラクター紹介:

魔王
何千にんもの人間を殺してきた、最強最悪な魔族。勇者に呪いのようなものを掛けられて、世直しの旅をすることに。
いずれは呪いを解いて、また世界を混沌の闇に包みこもうと目論んでいる。人間にありがとうと言われるたびに、
自分の存在意義を失いかけるため、言われないように全力で逃走もしくは阻止する。

勇者
誰かが救えるならと魔物たちと戦い、そして最後には命を生贄に魔王を祝った人間の女性。
正義心が強いように見えるが、実は単純に命が奪われてしまうのを嫌っている。
魔王の呪いになってからも、命を奪おうとする物を許せずなんとかして止めさせようと魔王を操る。

天使
魔王のことを憎んでおり、どうにか殺そうとするが、勇者に毎回止められている。
善行を積む魔王を良しとせず、また、率先して誰かを助けようとするが毎回魔王に先を越される若しくは助けられる。


ポイント
最終的に魔王と勇者が、どのような世界にするかを決め、この物語は終わる。
魔王や天使の心の動き、また勇者の過去などをストーリ上に組み込む。

ガナドゥ

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〇あらすじ

 

不思議な人物がいたと、暴走車の事故から助かったその少年は言った。

最初は、記憶の混濁かと思ったが、他の助かった人間からも同じようなことを聞いた。

ある時からだ。このように謎の虚言とも思われる言動をする人間が増えたのは。

宗教団体か何かに関わっていたかと思うほど、同じような証言がさまざまな国や場所で聞かれるようになった。

その人物像について、特徴を聞くと、バラ付きがあり、同一人物ではないように感じた。

しかし皆同じように名乗ったという。

走馬灯鑑定士と……

 


〇設定

ストーリーの起承転結

走馬灯鑑定士の元にお客様として、さまざまな人間が訪れる。

走馬灯を見るきっかけになった場面・出来事を話して貰う。

ちなみに話さなくても内容を鑑定士は把握しているが、カウンセリング的な意味も込めて本人から聞き出すのが通常。

では、どうやって切り抜けるかを鑑定士とともに探す。

もしくは、死ぬことがあまりにも確定しているならどの思い出を見て人生を終えますか?的な場合もある。

最後に、訪れた人物のその後、もしくは死んだ人物の周りのその後を見て終わり。

 

上記の流れの、1話完結型。

 

〇走馬灯鑑定士

死ぬ直前などに見る走馬灯の中から、必要なもの大切なものを見つける手伝いをする。

各走馬灯鑑定士には、個性にあったお店が準備される

 

〇人物紹介

主人公:桜田 次郎(さくらだ じろう)

職業:走馬灯鑑定士

人物像:ベテランの走馬灯鑑定士。口調は、オネェで下の名前で呼ばれるのが嫌なので、みんなには桜ちゃんと呼ばれる。

しかし、胸にネームプレートを付けることが義務付けらているので、たびたびお客様に下の名前で呼ばれて、トラブルになる。

桜田のお店は、ガールズバーをモデルとしたもの。

 

副主人公:川崎 東也(かわさき とうや)

職業:見習い走馬灯鑑定士

人物像:桜田の元で働く見習い走馬灯鑑定士。コミュニケーション能力は高い方ではないが、人の話を聞く能力に長けている。

そのおかげで、お客様の話の見落としがちの部分も、しっかり把握出来る。ストーリ上では少しずつ成長していく。

 

〇来客予定

少年→バンドの行き過ぎたパフォーマンスで死にかけている。

男性→ビルから飛び降りる瞬間

少女→遭難により餓死寸前

女性→がん治療の手術中

など

〇蛇足

ほぼ「デスパレード」というアニメに似てしまった……

 

カレーオアカレー

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プロローグ

「人は生まれながらにして、1つの食材もしくは1つの料理に愛されている」
よく聞く言葉だ。そもそもこの世界の常識をいちいち言わなくてもいいだろうと常々思う。
「私たちの住んでいる星は丸い」並みにどうでもいいことだ。
その言葉を聞いたからって、はい、そうですか、としかならない。
ならないのだが……だからって人参でもなくじゃがいもでもなく、俺はカレーに愛されてしまった。

全てが食で決まる世界、フーディデリアン
この物語は、カレーに愛されてしまった少年と、
主食級の少女たちの、フード恋愛ファンタジーである。

 

登場人物

主人公 オールスパイス カリィ

能力:カレー
全てをカレー色に染めちまう。最強のカレー使い。しかし、それ故にほかの食材・料理からは
お前がいると俺たちがいる意味がなくなるだろうと、ギルドも町も、ましてや国までも彼を追放する。
孤独のカレー。

 

ヒロイン1 コマチンヌ アキ

能力:米
ジャポンヌの時期女王にして、世界的にもめずらしいジャポンヌ米をメインとして使える黒髪美少女。
悩みはお腹が緩くて、炊き立てのご飯を作れるのが珍しいこと。
最初はカリィのことを見て、下〇、う〇こ、などの罵倒をするが、カリィの強さにひかれていく。

 

ヒロイン2 ブレット マリアン

能力:パン 
貧しい家で育った小柄の少女。子供のころから雑穀パンなどしか知らず出せるパンも限られていたが
カリィがおごってくれたパンを食べ才能が開花する。ちなみに彼女の作る雑穀パンは、一般人からすると
極上の焼き立て食パンと同じぐらいなのだが、その事実はカリィしか知らない。

 

ヒロイン3 パスタヌ ドール 

能力:麺
金髪変態少女。基本はデュラムセモリナという品種に関連するパスタしか出せないが、カリィとは仲がよい。
基本おかしい行動ばかりしているが、冷静になることも。その結果、カリィに相性抜群のうどんを出すことが出来る。
ちなみに、たまに中華麺を鼻から出す。道の真ん中で中華麺まみれになって動けないところカリィが助けて仲間になる。

 

仲間1  プロテ マルス 

能力:肉(得意なのは鶏の胸身)
ごりごりのマッチョ


仲間2 ベジリタル フレイユ

能力:野菜(得意なのは食物繊維の多い野菜)
細身のイケメン


ラスボス カーボン イドレト

能力:全ての穀物を操る。
カリィのことを愛するが故に、殺そうとする闇の魔王。

 

蛇足

ギャグ強めだどけも本人たちは大真面目
異世界転生した仲間がいればツッコミありもいけそう! 

マイマイプラス

あらすじ

料理を作れば毒が出来、プールで泳げば後ろに進む。
なにをやっても、うまくできない。それどころか全部マイナスに……
どこにでもいない系高校生、引算翔(ひきざんかける)は自分のマイナスに怯えながらくらしていた。


そんなある日、トラックの前に飛び出した子供間一髪助けるが、影に隠れていたバイクにひかれてしまう。

死んだと思った翔だったが、気が付くと知らない部屋にいた。

そこに、女神と名乗る人物が現れてこういった。

「あなたは地球上のマイナスの部分を一身に受けて生きてくれました。ありがとう」

そして、微笑みながら言葉を続ける。

「お礼に、1つだけ願いを叶え、その後他の世界での新たな人生与えましょう。」

翔はなんでもと言わなかった女神の意図考えた。もしかして、叶えられない願いがあるのかもしれない。それとも、願い事云々が嘘かもしれない。

そう彼は、これまでの人生の性でマイナス思考になっていたのだ。

それでもどうすれば幸せな人生を送れるのだろうと必死に考え、遠慮しがちに彼は言った。

 

「こんな体質でも大丈夫になりたいです」

それを聞いて、少し考える素振りし、何事か思いついたのか女神は口を開く。

「わかりました。マイナスでも大丈夫な能力が欲しいってことですね」

「はい、それで構いません」

この時事を、翔はのちにこう語った。
あの時だけでも、プラス思考であったなら良かったと……