マイマイプラス
あらすじ
料理を作れば毒が出来、プールで泳げば後ろに進む。
なにをやっても、うまくできない。それどころか全部マイナスに……
どこにでもいない系高校生、引算翔(ひきざんかける)は自分のマイナスに怯えながらくらしていた。
そんなある日、トラックの前に飛び出した子供間一髪助けるが、影に隠れていたバイクにひかれてしまう。
死んだと思った翔だったが、気が付くと知らない部屋にいた。
そこに、女神と名乗る人物が現れてこういった。
「あなたは地球上のマイナスの部分を一身に受けて生きてくれました。ありがとう」
そして、微笑みながら言葉を続ける。
「お礼に、1つだけ願いを叶え、その後他の世界での新たな人生与えましょう。」
翔はなんでもと言わなかった女神の意図考えた。もしかして、叶えられない願いがあるのかもしれない。それとも、願い事云々が嘘かもしれない。
そう彼は、これまでの人生の性でマイナス思考になっていたのだ。
それでもどうすれば幸せな人生を送れるのだろうと必死に考え、遠慮しがちに彼は言った。
「こんな体質でも大丈夫になりたいです」
それを聞いて、少し考える素振りし、何事か思いついたのか女神は口を開く。
「わかりました。マイナスでも大丈夫な能力が欲しいってことですね」
「はい、それで構いません」
この時事を、翔はのちにこう語った。
あの時だけでも、プラス思考であったなら良かったと……